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こうすれば書ける読書感想文 |
中学生が一度は悩む「読書感想文」… そのわかりやすい書き方をここに紹介します。 読書感想文で困ったら、読んでみてください。 塾長が贈る「お助け講座」の第1弾です。 ( ここは「前半」ページ。 「後半」は こちらから ) |
●夏休みや冬休みになると、たいてい「読書感想文」が宿題に出されますよね。 でも何をどう書いて良いか分からないと言う人多いですよね。 私の塾の生徒も毎年、夏休みの終わり頃になると「先生、感想文、どう書いたらいいんですか?」と言って持ってくるんですよ。 そんな人たちのために このサイトを作りました。 ●「読書感想文の書き方」…私は中学校の時、 国語の先生に教わりましたよ。 ただ「書き方」というより、 「感想文とは何か」 という「考え方」をですが。 でもこの「考え方」を教わったおかげで、感想文がずいぶん書きやすくなりました。 ここでは、その時その先生に習ったことをベースに、現在私の塾で生徒にアドバイスしている具体的な書き方をお話しします。 これからお話しすることが感想文を書くための「唯一の方法」ではありませんが、「一つの方法」として何かの参考になればと思います。 感想文は 「生活作文」 である。 ●これが その国語の先生に教わった結論、つまり「考え方」です。 といっても何のことか分からないと思います。 まあ先をあせらず ゆっくり読んで下さい。 ●感想を書けといわれても まともに感想を書くと 「おもしろかった」 とか 「感動した」 ・・・くらいしか書けませんよね。 1行で終わりです。 しかしそういうことを書くのではなく、「読書感想文」とは・・・
と考えてみて下さい。 つまり、自分の日頃の生活や体験を書く作業です。 ●例えば、読んだ本の登場人物が 「老人にとても親切」 だったとしましょう。あなたはそこで、自分をふり返るのです。 「自分は老人に親切か?」 「バスや電車ですぐに席を譲る勇気はあるか?」 「自分の祖父祖母を大切にしてるか?」 … そして、登場人物と自分を比べながら 自分はどういう人間なのかを考えて下さい。 ●あるいはまた、本の登場人物が 「友人を裏切って出世した」 としましょう。 そこで考えましょう。 「自分は友人を裏切ったことはないか?」 「裏切るとまでは言えなくても、約束を破ったことはないか?」 … また逆に「友人に裏切られたことはないか?」 「裏切った友人を許せるか?」 … あるいは 「将来、友情と出世とどちらか1つだけ選べといわれたら、本音ではどちらをとると思うか?」 … とか、読んだ本を通して、自分の生活や体験、そして「自分自身の心の中身」をふり返って下さい。 ●どうでしょうか? 読んだ本の感想は1行しか書けなくても 自分自身のことならいくらでも思い浮かぶ気がしてきたでしょう。 このようにして思い浮かんだあなたの生活や体験、そして「心の中身」を (反省も含めて) 原稿用紙に書けばよいと思ってください。 決して読んだ本の 「感想」を書いたらだめ なのです。 さあ 少しは気が楽になりましたか? では第1話はこれで終わります。 次回は、具体的にどのように書いていけばいいかお話しします。 |
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●第1話で、「感想文」は「生活作文」だというお話をしました。 これだけでもうピンと来て、さっそく作業に入ることができる生徒さんもいますが、実際にはどうすればよいか分からない人も多いと思います。 そこで今回は具体的な書き方についてお話しします。 |
●まず、読書感想文のように比較的長い文章を書くとき、絶対に忘れてはならないことがあります。 それは、「いきなり原稿用紙に書いたらだめ!」ということです。 文章が長ければ長いほど、前もって、
ということを決めておかなければなりません。 そして下書きをしたうえで、初めて原稿用紙に向かうのです。 それをやらずに、できるだけ早く書いてしまおうと、いきなり原稿用紙に向かっても、1枚も書き終わらないうちに書くことがなくなってしまいます。 (皆さんも経験あるでしょ!) そして、2枚目、3枚目を書くのに何日もかかって、結局 「尻切れトンボの文章」 になってしまうのです。 もうそろそろ、そんな書き方から卒業しましょう。 ●さて、それでは「感想文」を書くときの具体的な手順についてお話しします。 大体次のような流れで書いていくと思ってください。 |
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@ 登場人物の行動や体験 A 「@」に対する自分の考え B 「A」からわかる自分の性格、生活、考え方 C 「B」の具体例、失敗談、その他の素材 |
1〜2時間もあればできるでしょう。 これを「材料ノート」と呼ぶことにしましょう。
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●これを読んでいる皆さんの中には 「なーんだ、けっこう面倒くさいじゃないか!」 と思う人もいるかも知れません。 そのとおり面倒くさいのです。 しかし、上に書いた(1)〜(6)の手順をふんでいくのが最も効率よく文章を書くポイントなのです。 決して「うーん何を書こうか」などと頭の中だけで考えたりしないで下さいね。 そんなことをしているから、感想文がなかなか出来上がらないのですよ。 頭の中だけで考えて書いてもすぐに行きづまって、後は書くことが無くなってしまうでしょ? そしてまた 「うーん次は何を書こうか」 と腕組みをしなければならないでしょ? さっきも言いましたが、そろそろそんな文章の書き方はやめにした方が良いですよ。 時間の無駄、無駄! ●今回のお話はここまで。 次回は実際に「浦島太郎」の感想文を書いてみましょう。 |
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●今回は、みなさんがよく知っている「昔話」を題材にして、感想文の書き方を具体的にお話ししてみようと思います。 選んだ題材は「浦島太郎」。 えーっ! そんなの感想も何もないよ! と言うようではまだまだ修業が足りません。 第1話でお話ししたように、書くのは「自分の生活」であって、「浦島太郎」ではありません。 「浦島太郎」は自分をふり返るための単なる素材にしか過ぎません。 ですから「浦島太郎」だろうが「桃太郎」だろうが何でもかまわないのです。 ただ素材が違えば、それを通して見えてくるあなたの生活は違いますので、書く内容は違ってきます。 前置きはこのくらいにして、さっそく「浦島太郎」で感想文を書いてみましょう。 ただし今回は、第1話や第2話と違って、少々長くなりますのでそのつもりでお読み下さい。 注)まだ、第1話、第2話をじっくり読んでない方は、まずそちらから読まれることをお勧めいたします。そのほうがわかりやすいですから…第1話へ…第2話へ 第3話 目次 |
1時間目 材料を集めよう●さあ、今から実際に感想文を書いてみましょう。 題材は「浦島太郎」でしたね。まず、ノートを用意してください。 次に 「浦島太郎」の内容を思い出して、印象に残った場面をいくつか抜き出します。 私は次の4つの場面を取り上げることにしました。
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2時間目 肉付けをしよう●この時間は、前の時間に選んだ各場面について肉付けをします。 つまり下のような材料ノートを作るんでしたね。 |
@ 登場人物の行動や体験 A 「@」に対する自分の考え B 「A」からわかる自分の性格、生活、考え方 C 「B」の具体例、失敗談、その他の素材 |
私が実際に作った材料ノートは 次のようなものです。 材料ノート (場面1) |
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材料ノート (場面2) |
@ 登場人物の行動
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材料ノート (場面3) |
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材料ノート (場面4) |
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●以上で、各場面についての肉付けが終わりました。 これが「材料ノート」です。 ところでこの「浦島太郎」の例では選んだ場面が4つだけですが、実際はもっとたくさんあってもいいんですよ。 そのたくさんの材料の中から、出来るだけテーマを1つに絞り、そのテーマに使えそうな場面をいくつか選べばよいのです。 |
3時間目 何が書けるか考えよう (テーマと結論を決める) ●第1〜2時間目に、場面1から場面4までの「材料ノート」を作りました。 今度はこのノートを見ながら「感想文」のテーマとしてふさわしいものはないか、おもしろく書けそうなものはないかを考えます。 つまり手元に集まった食材でどんな料理が出来そうか考えるのです。 第1〜2時間目に書いた「材料ノート」を見てみましょう。 材料ノートを開くならこちら ここで私なりに考えをまとめると、
この2つを主な材料にして 「楽しいことはいつか飽きるし」…「時間がたつのも早い」 というあたりをテーマとし、結論は (学校の先生もハッピーになるように) 「だから、毎日の時間を大切にしなければならない」 というあたりに持っていくと良いだろう、ということになります。 注1) 「学校の先生もハッピーになるように」 というところは特に大切なことです。文章を書く以上、できれば読者が幸せになるようなものを書きたいですよね。 学校でもよく言われるでしょ、「相手の立場に立ってものを考えろ」って! 間違っても結論を「私たちの人生もあっという間なんだから、勉強しても無駄だ」などという、先生に対して挑戦的なものにしてはいけませんよ(笑)。 注2)場面1(子供にお金を与えて亀を逃がす場面)と場面2(竜宮城に行く場面)はテーマと無関係なので 思い切って切り捨てます。 ただし、字数が足りないときは 場面1を予備で使うことにしましょう。 ●さて、材料を選び、テーマと結論が決まったところで、第3時間目は終わりです。 けっこう疲れましたね。 次のステップは休憩の後ということにしましょう。 注) 実際にあなたが作業をするときも、テーマが決まったこのあたりで、一旦休憩した方が良いでしょう。 頭をリフレッシュしてからのほうが、次の時間に 良い文章が書けるのではないかと思います。 ●でもここまで来ると、「浦島太郎」でも何とか感想文が書けそう気になってきたでしょう? |
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