22 主人公のいないエッセイの感想文は?

Q.主人公のいないエッセイについての感想文はどう考えればいいのでしょうか?

A.基本的な考え方は同じです。


●ただエッセイだと、主人公はいませんよね。筆者の思ったことや考えたことが主に書いてあるわけですから、その感想文を書くとすれば、筆者が考えたことに対して、自分はどう考えるかということがメインのテーマになると思います。

●その「自分はどう考えるか」を書く過程で「自分の日常の生活や体験」がどうしても絡んでくるのです。なぜなら、結局あなたの「考え」というのは、これまでの自分の日頃の生活や体験が根拠になって出来上がったものだからです。違いますか?

●たとえば「冬は寒い」とあなたが考えたとしたとき、それはあなたが生まれ育った場所で体験した「冬」が基準になっているはずです。だから当然ロシア人の「冬は寒い」とは違った寒さです。

●またもう1つ「戦争」というテーマに例を取りましょう。「戦争」に対する考え方の「根拠」は、体験のある人と、ない人とでは決定的に違います。そして同じ戦争体験者でもその後「平和主義者」になるか「復讐の鬼」となるかはその「戦争体験」によります。また体験のない人たちに限ってみても考え方は様々です。それは、親の考え方、受けてきた教育、読んだ本、読んでいる新聞、恋人のあるなし、子供のあるなし、その他諸々の生活環境ががその人の考え方に影響を与えているからです。

●このように考えると、あなたが課題として出された本の筆者が書いている考えと、あなたの考えが仮に同じであったとしても、その根拠になっているものは全く違っているはずです。ですから、あなたが筆者の考えに賛成か反対か、どう思うか・・・・を考えるとき、時代背景の違い、生活環境の違い…など、あなたの考えの根拠になっている実生活、実体験をじっくり探っていくと、けっこう面白い文になると思いますが。


Q&Aの目次に戻る時は 「閉じるマーク(×)」をクリックして下さい。